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【開催報告】文化を超えて:レッジョ・アプローチの子ども観、哲学をアジアの中で取り入れることを考える

-ヴェトナム、バリ島の実践事例から ※ページ下にアンケートなど報告あり

 

3月24日(日)18時-21時(3時間)

主催:NPO法人子ども教育立国プラットフォーム 

​企画主旨

近年、レッジョ・アプローチを取り入れた実践例や園が増えているが、「レッジョ・アプローチはイタリアで育まれたアプローチであり、それを日本文化の中で取り入れるのはどのようにしたらよいのだろうか」ということをよく耳にする。本企画では、レッジョ出身者のペダゴジスタであり現在アジアで活躍する教育者を招き、アジアでのレッジョインスパイア―ドの実践と、アジアでレッジョの子ども観、哲学を取り入れるにあたってのヒントを共有する。

プログラム予定

-レッジョ・アプローチの哲学

-イタリアでの経験

-アジア(ヴェトナム、バリ島)でのレッジョインスパイア―ド実践

-参加者の対話の時間

-質疑応答

講師:Ambra Lanzi (アンブラ・ランツィ)

レッジョ・エミリア生まれ。レッジョ・エミリアおよびイタリア他地域において教師、児童心理士、心理セラピストとして9年経験した後、2015年にバリ島に移住。近年はアジアに拠点を置き、ヴェトナムなどのレッジョインスパイアードのインターナショナルプリスクールでペダゴジスタ、児童心理士、教育コンサルタントとして乳幼児教育に携わる。アジアという異なる文化圏において、レッジョインスパイア―ドの実践をどのように取り入れられるかに情熱を注いでいる。現在はバリ島にあるレッジョインスパイア―ド園のコンサルティング、およびディレクターを務める。レッジョ・エミリア出身者、オーストラリアの教育者などインターナショナルな教育者による団体ZEROSEI PROJECTのペダゴジスタ。ZEROSEI PROJECT:https://zeroseiproject.com/

講師からの言葉

私の意図と挑戦は、学校が位置する地域の文化を考慮しながら、レッジョ・アプローチにヒントを得た実践と原則を実行、強化することです。さまざまな状況で適用されるこのアプローチの素晴らしさを、日々の実践を通して毎日試す機会を持つことは、私にとって本当に意義深い時間です。

私の使命と生涯かけて取り組むことは、急速に変化する現在において、持続可能な質の高い幼児教育を子どもたちに提供することに取り組み続けることです。

社会構成主義の視点から、他の研究者や専門家と交流、共有し、幼児教育に献身的に取り組む研究を続けています。

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アジアレッジョインスパイア―ドアンケート1.png

当日アンケート(掲載許可のみ掲載)

◇満足度理由

・具体的な話を聞けたのは良かったですが、やはりもう少し深掘りする時間が欲しかった。。(N・T)

・実践者の貴重な体験に基づく内容説明であったため(M.Y)

・もう少し時間があれば、シェアできることも増えたのではないかと思い、満足にしました。(M)

・対話の時間がもっと作れたらより良かったと感じました。時間が足りないというより、やはり通訳を介すと聞く時間が長くなってしまう感じがもどかしいですね。(S・A)

・内容自体は非常に興味深く、あっというまの3時間でした。もっと色々聞きたかったという気持ちから、一つ下の「満足」です。

・アジアの文脈でのお話は,貴重だと思いました。とても興味深く伺いました。(C・U)

・本を読むだけではわからない具体的な取り組みを知れたこと。また参加者の方々の質問も、ご自身が取り組む前提での具体性のあるもので勉強になった(M・N)

 

◇今日のレクチャーで一番印象的だったこと

・具体的に困難だった事と、それを乗り越えるためのドキュメンテーションの話など(N・T)

・環境を整えることの重要性(M.Y)

・日本で導入するにあたり、レッジョの後にどうつなげていくべきなのかを考えさせられた。(M)

・「誰のために」していることなのか、ということ。(S・A)

・子どもという存在は、未来の財産なのではなく、今現在、既に財産であるということ。子どもは適した環境の中にることで、非常に有能な存在であるということ。

・イタリアの先生たち、保護者達皆さんそうですが、保育学校について語るときの言葉が、自分の言葉になって語られることです。こうした保育を語る力はどのようにして育まれてきているのかも興味深いです。(C・U)

・文化的なバックグラウンドを大事にしていること。そして、課題はどこの国でもある。(M・N)

・『子どもたちの能力を引き出す』という講師の言葉(E・U)

 

◇今後のレクチャーに期待すること

・やはりもう少し時間が必要。。?(N・T)

・カリキュラムについてもう少し詳しく(M.Y)

・日本で既に導入されている施設の実践家の話を具体的に聞きたい。(M)

・レッジョのドキュメンテーションに焦点を当てたレクチャー。(S・A)

・アジアの様々な地域のレッジョインスパイアードの取り組みについて、知りたいです。(C・U)

・参加者同士の交流、情報交換の時間がもう少し長いとシェアしたり深められてさらにいいと思いました(M・N)

 

◇日本の乳幼児教育において必要だと思うこと、アイディア、お考えなどあればぜひ共有してください

・「オルタナティブ」と言われる様々なアプローチをもっと知る事、そしていいと思ったものは取り入れてみる事。「託児サービス」ではなく、ビジョンを持つことが足りないのではないかと思います、保護者も含めて。(N・T)

・保育者(指導者)の育成とチームで保育(指導)に当たる体制づくり(M.Y)

・幼児教育の無償化が、どのように現場に影響してくるのか、やや不安に思っている。特徴を打ち出してレッジョ、モンテッソーリなどのアプローチを表面的に取り入れる園も出てくることだろう。何が子どもたちに必要なのか、何を子どもたちが求めているのか、レッジョアプローチのように子どもに聴くことが益々大事になると思うが、それを理解している保育者がどれくらいいるだろうか?(M)

・学ばせる、教えるよりも、共に考える時間を親も先生も意識して作ることが必要かなと思います。(S・A)

・近年声高に言われている「質の高い保育」の質とは何を示しているのか、もっと沢山の施設が深く考えていくべき。乳幼児教育は、環境を通して行われ、子どもが主体的に取り組めるようにするのが大人の役割。しかし、それが実際に行われている施設はごく少数。レッジョの行なっているような実例をもっと広めて、日本の乳幼児教育も変わっていってほしい。

・自分たちの保育哲学を持つこと、子どもの権利の理解を深めること、自分を含めてなのですが。(C・U)

・子どもが生まれ持ったものを大切にしながら大きくなれる場が1つでも増やしたい。保護者がこのクリエイティブな時期を子供と一緒に楽しめる場も必要だおもう。子どものケアも親のケアも両輪で回す必要があるのではないかという気がします。(M・N)

・私の周囲の幼児教育施設は、知育に重点を置く施設が多いよう感じています。人間が持つ五感を活かす関わりが個別に出来ると 、豊かな人生になるのではないかと思います。(E・U)

 

◇自由記入

・初めてセミナーに参加させて頂きましたが、貴重な機会をありがとうございました。きっといらしている方々も色々な実践をされていると思うので、全体の顔が見える形で色々と共有できると面白いなと思いました。また機会があれば参加させて頂きたいと思います。ありがとうございました!(N・T)

・3時間はあっという間でした。日曜の夜だったので時間も限りがあった。休日であれば日中の設定がありがたいが…。(M.Y)

・素敵なお話をありがとうございました。もっともっとお話を聞きたかったですが、自分が時間を取れるのも3時間くらいが限界かと思うともどかしい限りです。レッジョエミリアアプローチに改めて感心が高まりました。もっと掘り下げて自分の糧にしていきたいです。(S・A)

・それでも、乳幼児教育はレッジョやモンテッソーリ、シュタイナーなどが注目されるようになったことで、一人一人を大切にした、子どもたちに教えるのではなく、子ども達が主体の教育、保育が増えてきたと思う。せっかく、そのような施設が増えてきているのに対し、日本の公立小学校の大半は教師主導の一方的な教育が大半に感じてしまう。乳幼児期に養ってきたものを、どう初等教育に繋げていくのかも大きな課題だと思う。

・このような企画、機会を設けていただいて感謝しております。レッジョインスパイアードというのはどういうことか、みなさんと議論を深めていきたいです。そうしたきっかけをつくっていただいた企画だったと思います。(C・U)

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