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市民共同で子どもを支える 地域、市民で創る聴き語りイベント

レッジョ・ナラから日本の共育ちを考える 開催報告(ページ下に当日質問、アンケート掲載)

鈴木光男先生ご報告

石井希代子先生ご報告

秋田喜代美先生まとめ

参加者同士対話の場

三者鼎談、会場からの質疑応答

開催概要

世界で優れた幼児教育として名高いレッジョ・アプローチだが、その本質は教育アプローチだけではなく、市民と地域が子どもの成長を育み、見守る共同の姿勢がある。11年前からレッジョ・エミリアで始まった「レッジョ・ナラ」は市民0歳‐99歳まで参加可能な「聴き語り」イベントとしてレッジョ市民に定着しつつある。そこに住まう人々が創り出すレッジョ・ナラはゆるやかな共育ちの中で大人も子どもも市民として育まれる土壌をつくる重要なイベントである。レッジョ・ナラを通じて地域で継続的に共に育み合う共育ちのヒントを共有する。

 

【詳細】

日時:2017年 9月10日(日)

時間:14時00分‐16時30分(開場13時40分)

場所:国立近代美術館講堂(東京都竹橋)

登壇者:秋田喜代美(東京大学教授)、石井希代子(イタリア幼児教育実践家)、鈴木光男(聖隷クリストファー大学教授)

主催:NPO法人子ども教育立国プラットフォーム

 

プログラム概要

報告1 鈴木光男

報告2 石井希代子

参加者同士の対話の時間

まとめ 秋田喜代美

鼎談 秋田喜代美、石井希代子、鈴木光男

質疑応答

 

登壇者プロフィール

■秋田喜代美

東京大学大学院教育学研究科教授、同附属発達保育実践政策学センターセンター長。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(教育学)。東京大学教育学部助手、立教大学文学部助教授を経て現職。専門は教育心理学、保育学、授業研究。国立教育政策研究所評議員。内閣府子ども子育て会議委員。文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会委員、厚生労働省社会保障審議会委員。保育所や幼稚園、小中高等学校という制度的な教育の場での子どもと専門家としての保育者や教師の成長を園内研修や校内研修に関わりながら研究を個なっている。最近の著書としては「保育の心意気」(ひかりのくに2017)「岩波 講座 教育変革への展望 第5巻 学びとカリキュラム」(岩波書店2017) 「育み支え合う 保育リーダーシップ──協働的な学びを生み出すために」(明石書店2017)他多数。

 

■石井希代子

カラー&イメージ コンサルタントとして資生堂の特別講座講師、色彩心理学や発達心理学を学び、子どもの自由な創造表現空間『アトリエ・エンジェル』主催を経て、2002年渡伊。レッジョ・エミリア市の共同性や教育哲学を4年間か
けて滞在研究。レッジョ・エミリア教育アプローチに関する講座・講演を大学・自治体等で展開中。

 

■鈴木光男

金沢大学教育学部卒業、兵庫教育大学大学院修了。小学校教員27年間の勤務を経て、50歳を前に大学教員に転身。「自らの実践を通して理論を導き出す」実践研究家として教育・研究を重ね、現在はカンボジアの美術教育支援やコミュニティデザインも手掛けている。主な著書に「美術教育概論《改訂版》」(日本文教出版)、「図工科ニューヒット教材集 立体造形・工作編」(明治図書)など。

当日質問まとめ(順不同、同一人物による質問も分類分け)

時間の関係上、すべてのご質問にお答えできず申し訳ありませんでした。いただいたご質問を参考のため掲載させていただきます。(許可済)

 

■レッジョ・ナラについて

・レッジョ・ナラで今問題になっていること。今後の課題などはあるのか

・読み聞かせとの違いは?

・物語のテキストは誰がどのように選ぶのでしょうか?その基準のようなものはありますか?

・物語をどう選び1年中つづく教育的プロジェクトの中でどのように子どもたちと進めていくのか。子どもはどのくらい読み語りの物語づくりにかかわっているのか。

・レッジョ・ナラの期間は?1か月?

・市民の参加は何%くらいか?つまり理解は市全体に広がっているのか?

・二人で始めたとのことだが資金、支援はどのようであったか、なぜ広がったのか

・子どもたちは変わったのか?

 

■レッジョ・アプローチについて

・詳細なカリキュラムがないというようなお話ですがどのようにマラグッチの思想を伝えているのですか。無料の市民コースのみからでしょうか。

・会場の皆さんの中でレッジョ・アプローチをどのように取り入れていますか?そこで何に困っていますか?そのことをどう解釈していますか?

・現在レッジョ・アプローチを実行している幼稚園、保育園での実践の話を聞きたい。

・レッジョを日本の地域に根付かせるための小さな一歩は何でしょうか?

 

■レッジョ・チルドレン等組織、運営

・レッジョ・チルドレンはレッジョ・ナラにどのように関わっているのでしょうか?

・レッジョ・ナラへのレッジョ・チルドレンの関わりはある?

・レッジョ・ナラへの乳幼児施設(保育同等)の関わりはある?

 

■養成コースについて

・養成コースではどのようなことを教えるのか?理論的なことも?

・養成コースの具体的な内容を知りたいです。

 

■日本での取り入れ方、課題等

・「物語ること」の価値というものが共有(市民一般に)されていることがとても驚きなのですが、なぜそのようなことが実現されていったのか、どれぐらいの(人のあつまりの)サイズにおいて可能なのでしょうか。日本においての可能性は?

・日本がこれから保育者として求められていくこと(今回の話の中で一番生かせる実践的、具体的な内容を知りたいです)

・日本でこのような形でなくても地域の方や保育、保育者などが一緒になって何かしている方はいますか?それはでのような形で始めたのでしょうか?

・レッジョ・ナラを日本で広めるには具体的にどのような方法が考えられるか?また、各市町村等のような小さい規模で実現することは可能か?行政の支援等は?

・日本人の気質に合った地域との協力や体制づくりの工夫を考えたい。

・日本の文化(国民性)の中で、子どもの権利の考え方や自由な発信が許されない環境が多い。どしたら入れられるか。

・イタリアと日本、文化も国民性も違う中で日本でどういう形でレッジョを取り入れていけるか。

・レッジョ・ナラがパラダイスであることはよくわかったが、日本の現状としてここから何が学べるのか疑問だ。

・レッジョの活動は市や市民の協力あってのものですが、今後日本の文化の中で生かせるとしたらどういった仕組みの部分だと思いますか?

 

■そのほか

・都市文化とはいったい何だろう?市民性がうすい日本においてどう醸成していく?

・アートという言葉が安易に使用されると意味が歪められるのではないか。日本語の確かな訳出は?「より美しく生きる」等が適当?

・障がい者(精神・身体)、移民などの子どもたちは”市民”として平等な権利や尊厳をもっているのか

・レッジョはピアッツア(広場)を中心にした”都市型”の交流の場→私の街は農村なのでどのような子ども縁がつくれるのか?これから考えたい。アイディアを持っている人がいたら聞かせてほしい。

・2000年代はじめにNidoや幼児学校に通っていた子どもたちはもう青年ですよね。彼ら、彼女たちはどのように今のレッジョを生きているのでしょうか?

アンケートまとめ(WEB掲載にご了承いただいた方すべてのご意見を掲載しております)

 

質問事項:①満足度 ②満足度理由③今後期待するレクチャー ④自由記入

 

①とてもよい ②レッジョ・ナラの考え方や戦略を知ることができた(男性、50代、社会福祉法人職員)

 

①よい ②ついていく事に必死でした。でも良い学びの機会となりました ③レッジョが認知されていく中、興味を持っている人は沢山いるので、初めての人にわかりやすくレッジョを知る機会が欲しい。できれば体験型で。(女性、30代、主婦/主夫)

 

①まあまあ ②イベントタイトルにある”日本の共育ちを考える”という部分があまり深く議論されなかったので、少しもやもやが残りました。写真をたくさん見せていただき、レッジョ・ナラの様子がなんとなく伝わり良かったです! ③アート×教育の実践ワークショップ。興味のある人は多いと思うので実践編を学べたらと思いました(女性、20代、会社員/公務員)

 

①よい ②短い時間でも「動画」でプレゼンいただけたので空気が伝わりました! ③レッジョ・アプローチを日本の様々な団体がどう取り入れ、何を困りどう解決、解釈していっているのか。現場のサンプルを聞きたいです。(女性、60代以上、デザイナー)

 

①とてもよい ②レッジョ・ナラ/レッジョ・エミリア市の思想が良く理解できた。とても優れたわかりやすい訳でした ③アートたデザイン、建築などと保育の共生 ④石井先生のお話の中でご紹介されたミレッラ・ルヴォッツィさんのコメント、石井先生の考えるレッジョナラとはの資料をいただきたのですが (女性、20代、保育関係)

 

①とてもよい ②レッジョ・ナラのことが日本にもどんどん広がって広がっていくとうれしいです!(男性、30代、そのほか)

 

①よい ②「聴く」という土壌をどのように大人側に育んでいくのか。文化的な背景は違えど、具体的事例や秋田先生の解説を受けて考えが深まった。「とてもよい」にしなかった理由としては時間が足りなかったです!  ③マラグッツィの哲学的な背景に関心があったので、1月21日のイベントを楽しみにしています(男性、30代、教職員)

 

①とてもよい ②短い時間だったが、内容の深い報告とパネルディスカッションでレッジョ・ナラの内容と意義がよくわかった。

(男性、40代、会社員/公務員)

 

①とてもよい ②あらためてレッジョのみりょくに感動してしまいました。今日モチベーションがぐんとあがりました。

(男性、40代、保育士/幼稚園教諭)

 

①よい ③アートのアプローチ見たいです(女性、20代、保育士/幼稚園教諭)

 

①とてもよい ③特別な場所ではなく、日常で子どもたちが「学ぶこと」 ④2年前に石井先生に養成講座でお話いただいたときからすっとやってみたかったレッジョナラ。まずは1歩をふみだしてみたいと思います(女性、40代、教育コーディネーター)

 

①とてもよい ②学童保育をちょうどこどもたちと絵本(言葉のないもの)、順番を入れかえた紙芝居に物語をつけるという遊びが生まれ「ナラ」に関心があったため。でも今回お話をうかがうことで総合的なアート表現であり、表れるもの根幹にある思想や「children from the future」という意識がとても大切だと感じ、実践面のみならず哲学的な面においても刺激を受け、感激したため。「将来のため」「自立」のためとうたわれている今の日本社会に対してなぜモヤモヤしているのかその”核”が見えた気がしました ③レッジョ・ナラを切り口に展開される語りを通して、一層レッジョ・エミリアの魅力を感じました。是非また今回のテーマを深めたシンポジウムを開催していただけたらと思います。ありがとうございました!!(男性、20代、学童保育)

 

①よい ②レッジョ・ナラで子どもたちが参加していた様子やプロセスなども見たかった(知りたかった)です(女性、30代、保育士/幼稚園教諭)

①とてもよい ②レッジョ・ナラなんとなくわかりました。似たようなことを(図々しい言い方…)やってみよう!と思えたこと 

③あれこれきいてみたいです(女性、50代、保育士/幼稚園教諭)

 

①よい ③素材や色彩表現、レッジョ・ナラの取り組みを実践研修してほしいです(男性、20代、保育士/幼稚園教諭)

 

①とてもよい ②レッジョ・ナラをより深く知ることができた。出席者同士の語り合いの時間が良かった。 ④短い時間でも動画があったので実際の読み語りの雰囲気を感じることができました。その場で質問に応えてくださりとても分かりやすく深められました(女性、60代以上、施設長)

 

①とてもよい ②色々な視点を見られてよかったです ③日本に取り入れやすいレッジョのアプローチ ④保育の中で毎日素話を大切に行っています。今日のお話をきき「子どもと共鳴しながら」といった所でいつも夢中になって子どもが聞いてくれることがなんでか分かった気がしました。私自身が父から幼いころしてもらっていた素話でしたが、自然と「与えられる、受け取る、お返しする」につながっていたのだな、、と感じました。保育の中でさらに今日の学びを生かしていきたいです(女性、30代、保育士/幼稚園教諭)

 

①まあまあ ②もっと知りたかった(女性、50代、保育士/幼稚園教諭)

 

①まあまあ ②ナラについては理解できたと感じております ③今後の日本の幼児教育、方向性、統一性(女性、40代、会社員/公務員)

 

①とてもよい ③レッジョの現状と今後を継続的に発信いただければ ④「語り」という事へのとらえ方が変わりました。丁寧にしていきたいです。

「地域とともに」という意識もより強く感じました(女性、50代、保育士/幼稚園教諭)

 

①とてもよい ②なぜ「語るのか」理解できました。秋田先生のお話も大変勉強になりました。今、聴く力が求められていると思います。ナラの語り場は的を得ている! ③世界の子どもを中心にした地域取り組みの実例、今、世界の教育者が興味を持っているもの、日本が誇れる子どもへのアプローチとは(女性、30代、パート)

 

①よい (女性、10代、学生)

 

①とてもよい ②レッジョ・ナラの内容をわかりやすく伝えてくださいました(女性、40代、保育士/幼稚園教諭)

 

①よい ④今日学んだことをできることから少しでも取り入れていきたいとおもっています(女性、保育士/幼稚園教諭)

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